「テレビは見てはいけない 苫米地英人」の感想
テレビを見ることによって、脳がこうなってああなってバカになるよー。
的な内容が盛りだくさんだと思ったら、そうではなかった。
第一章で、「テレビは見てはいけない」理由が色々と語られていて、
第二章で、洗脳された奴隷状態を脱して行こうぜって内容が書かれてて、
第三章では、日本人はお金にだまされやすいから気をつけようぜってことが書かれています。
あくまでも苫米地英人博士の十八番であるところの”脱洗脳”に関する展開です。
両親がテレビばっかり見ているので何とかならんものか?という動機で手に取った本なんだけど、ちょいと趣旨とは違う感じ。
テレビ大好き状態の人に「テレビは見てはいけない」ってタイトルの本を渡したところで、ニュートラルな視点で読む可能性はかなり低いです。
むしろ自分が否定されてる気がして、自分は間違っていないという方向に意識が向いてしまいかえって”テレビを見てる自分”を正当化する考えに凝り固まってしまいかねません。
テレビは麻薬的
個人的には、10代20代の頃はテレビをよく見てたのでテレビにハマる気持ちは分かりますが、一切見ない生活をしている今の心境で言うと、テレビに使う時間で苫米地英人博士の本を何冊も読んだほうが計り知れないレベルで有益だと思います。
テレビばっかり見ている人でもそのことは頭ではわかっているんですよね。本読んだ方が為になるって。けど、テレビの味を脳が覚えてしまっているために、そうやすやすとは変われません。
テレビはストレス解消機か?ストレス製造機か?
テレビばっかり見ている人に「もしテレビが無くなったら?」という質問をしてみると、結構な確率で「ストレスが溜まる」という回答がきます。
これ、タバコと同じなんですよね。
タバコを吸う前には存在しなかった類のストレスが、タバコを吸い始めたことによって生まれています。”タバコを吸いたい気持ちを解消できないストレス”です。
それと全く同じで、”テレビが見たい気持ちを解消できないストレス”ってのが確実に発生します。
さらにひどくなると、撮り溜めした番組が多くなってくるとストレスを感じるというとんでもない状態になります。
にも関わらず、レコーダーの機能をフル活用して同じ時間帯の番組をダブルで録画したり惰性で見続けている番組などを毎日長時間録画しているのです。
おそらく、”録画した番組を消化する”ことに使命感すら感じているのかもしれません。
本人はテレビを見ているつもりなのでしょうが、実際の状況としては「テレビに魅せられている」と言っても過言ではないでしょう。そしてこれに共感を覚える方も少なくないと思います。
テレビを見るのを止めようとしない理由とは?
テレビ鑑賞が「自分の為になっている」と思い込んでいるからだと思います。
テレビって制作費を多く使って番組を作ります。
そして、その番組のリピーターになってもらうべく、視聴者を気持ちが良くなる工夫がなされているんですよね。
例えば、健康番組だったら、アニメーションなどを駆使した分かりやすい解説や肩書のある医者によるお墨付きだったりで”とってもとっても美味しくて消化抜群のおかゆレベルにまで噛み砕いた情報”が提供されます。
それを受けてわかった気になって、テレビのおかげで賢くなった感覚に陥るため、テレビを見ている時間=自分の身になっていると思ってしまう現象があると思ってます。
でも実際は、分かった気になってるだけだし、一部の情報を切り取って拡大して扱っているだけなので、その周辺情報が足りなくて、かえって損したりします。
例えば、「タンパク質と一緒にGI値の高い炭水化物を摂ると吸収率が高まる!」という情報だけを受けて、体に負荷のかからないヤワな筋トレをしてカツ丼をモリモリ食べてむしろ太る。みたいなおバカな展開とかです。
典型的なのが、「○○を食べると血液がサラサラになる!」とテレビで特集されてスーパーからその食材が売り切れるほどに皆こぞって買います。
テレビの記憶が残っているうちこそ、その食材を食べますが、徐々に飽きて忘れていき結局続かず、これといった効果も感じること無く終わります。
テレビによる洗脳の最たる例ですよね。
分かった気にならない人だったら何ら問題ないんですけどね。
体に悪いと分かりつつ、たまにだったらいいかとジャンクフードを食べるのであれば特に問題は無いのと同じように、自分でコントロールが出来ていればテレビを見てもOKなわけです。
むしろテレビで得た情報をきっかけに勉強に繋げられるのであれば素晴らしいですね。
これだけは言えるのが、テレビにハマればハマるほど脳みその機能は衰えます。(データはありません、私の感想です。)
そしてより一層、洗脳されやすくなります。
※テレビを見てアホになるというより、テレビに習慣を支配されやすくなる、テレビを付けているとついダラダラとしてしまうといったことの積み重なりでアホになっていくというのが適切ですね。
テレビにハマっている人におすすめしたらひんしゅくを買いそうな本ですが、テレビを見る時間を減らしたいなあと考えてる人にはうってつけの本だと感じます!